エコノミークラス症候群とは、旅行中(特に飛行機の中)に起こる深部静脈血栓症に伴った急性肺動脈血栓塞栓症のことです。
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深部静脈血栓症は、旅行者血栓症やロングフライト血栓症と呼ばれますが、エコノミークラス症候群の名前でよく知られています。エコノミークラス症候群は、肺血栓塞栓症と合わせ静脈血栓塞栓症という疾患です。エコノミークラス症候群は、飛行機で長時間座り続けた後に発症することが多く、それ以外に、タクシー運転手や長距離トラック運転手などの発症も報告されています。長時間同じ体勢で座っていることが問題といわれる疾患のことで、膝の裏あたりの静脈の血が流れにくくなり、血の固まりができてしまう病気です。エコノミークラス症候群は、一時はニュースで盛んに報じられることもありました。マスコミの報道では機内でおきているケースや、飛行機を降りて歩き出した時に倒れるのがエコノミークラス症候群だといわれているようですが、家に帰ってから2〜3日して、起こったものも飛行機による血栓症であるということもあります。
エコノミークラス症候群の症状は、下脚が赤くなったり、ハレや痛みが初期症状として表れます。そして座席から離れ歩き出すと、息苦しさや胸の痛みを感じたり、動悸、冷汗、血圧低下などが起こることがあります。軽度であれば胸やけや発熱などで済みますが、重症化した場合は、心拍数の増加、呼吸困難、失神、意識消失を起こし、心肺停止から突然死となることもあります。
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エコノミークラス症候群の原因としては、長時間座ったままでいるため、下肢を圧迫し下肢の静脈のうつ滞をおこし、さらに血栓ができ易くなります。 また、機内が常に空調されているため、乾燥(機内温度は24度前後で、湿度は飛行時間が長くなると10〜20%以下に低下)しているので、1時間に80mlもの水分が蒸発し、脱水状態になりやすく、アルコールやコーヒーを摂取すると利尿作用により、さらに脱水状態を起こしやすくなります。機内の気圧と酸素濃度が低下し、体調を崩すことになります。トイレなどに一度も席を立たなかった人は運動不足で血栓ができ易くなります。そして、飛行時間が長時間(7〜8時間以上)で、エコノミークラス症候群の発病頻度が高くなり、15時間以上では危険だといわれます。こういう事が原因で、下肢や上腕その他の静脈に血栓が生ずるためで、この血栓が血液とともに肺へ流れ、肺動脈が詰まると酸素の供給が低下し呼吸困難になります。エコノミークラス症候群で血栓が生ずるのは、運動や水分不足による血流のうっ滞が主な要因で、高血圧や血栓症などの人に多く見られます。
エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)を起こさないためには、2〜3時間に1回は、少し離れたトイレまで歩き、時々下肢を動かすなどが大切です。座ったままシートベルトを緩めて、足をこまめに動かすことも、エコノミークラス症候群を防ぐためには有効です。1時間に1回は3〜5分くらい、かかとの上下運動をするとよいでしょう。足を動かす、足首やつま先を動かす、姿勢を変えるなど積極的な対応が必要です。また、水分を適度に取ること。1時間にコップ半分くらいの水やジュースで水分補給すると良いでしょう。中高年の方はトイレが近くなるため水分を控えたり、隣の人に遠慮してトイレに立たない、という方が多いようですが、この謙虚さが生命の危険を招くこともありますので過剰な遠慮は禁物です。ただし、ビールなどのアルコール飲料、緑茶、コーヒーは利尿作用があるため、かえって脱水を引き起こすので避けるようにします。そして、きつめの服を避け、ゆったりした服装でリラックスする。血行が悪くなるので、窮屈な姿勢をとったり、足を組んだりしないように気をつけましょう。また、不自然な姿勢で寝込まないよう、睡眠薬は控えるようにしましょう。